荻野 敏雄(第7代会長)

Memoirs

2013年4月18日に2013年度シカゴ日本人会(CJC)の年次総会が開催され、出席者数19名、委任状受領90名。それにより有効合計109名となり、会則による全会員総数127家族の1/3以上を満たし総会は成立しました。

そして先代の小山会長から会長の責の引き継ぎも承認された。当会は1993年設立以来 会員各位の参加の意と理事・役員の賢明な運営によってすでに安定期に入り、この年度の会長に課された任は会員の増員と運営資金それぞれの拡大を目的とし、その達成のために銘じてご奉仕することとしました。

組織の確立、各部会の役割り分担を明確にして運営することを各位にご了解頂き、その任に当たっていただきました。(敬称略)

副会長 下竹祐三郎 事務局長 梅谷昌樹
副会長 白滝精彦 生活部会 三好素子
専務理事 吉池学 ビジネス部会 高木勝治
会計担当役員 前田和子 ビジネス部会 大沢吾平
新理事 長尾武英 スポーツ部会 亀田達夫
新理事 関上努 文化部会 森義雄
データ管理 森井俊文 会員促進部会 小山満
会計監査 上原敏子 お助けメン 星名修治(現お助けチーム)
ホームページ 堀治雄

この強力なメンバーで各自の持ち場を守りかつ新年度の方針達成に向けてご奉仕をお願いし船出としました。会長は異なる日系団体との共催事業計画の立案と実行に歩を進めることとしました。

2013年度総会の後、各役員・理事に新年度の事業計画と当会の改革案等のご意見をお聞かせ願いました。その内容は以下の通りです:

下竹副会長から

本会の名称変更と定款変更に関して、採決で75%以上の会員の賛同を得て、増田・舟井法律事務所を経てイリノイ州に提出する。新年会の委員に三好、梅谷各理事が新たに加わった。また新シカゴ日米会(NCJAA)の片山会長に新年会の共同開催を呼び掛け、両会の友好関係を増進したいとの発言があった。

高木理事から

シカゴ日系団体の合同ピクニックについては、日米評議会で会合を開き、その会合に新一世と日系人が年一度一堂に集い、交流の場を設けようと日本人会が提案したもので8団体から9名が参加。当会から荻野会長と高木理事が参加した。各会で調整(すでに同種のイベントを予定)して再度の会合を約束して散会した。

三好理事から

新試運転免許問題集に関する説明があった。毎年参加者に好評な安全運転セミナーを今年も開催し、当地の広報関係者に参加を呼び掛ける。

森・梅谷理事から

シカゴにおいて「絆プロジェクト」(東日本大震災復興の現状)で活動している若者たちを招いてお話を聞く企画や、ピクニックの際に参加者と交流しながら彼らの活動要旨を紹介していただくことになった。

森理事から

孫先生による浴衣の着付け教室を実施。9名が参加し艶(あで)やかで賑わい教室が大変好評を得た。

高木理事から

ビジネス部会では遺言や税金についてセミナーを検討しており 今後内容を煮詰めてから発表する。

三好理事から

引きつづき調査中だが、女性5名にランダムに声を掛けてブランチして「エンデングノート」など話が弾み、シニアになると家に籠もりがちな方が多いため、生活・文化部会が合同で気楽に参加できるテーマを決め、そうした方々を月一度、友達も誘って外にでる機会を設けたい。

梅谷理事から

スポーツ部会では日本人金メダリストが活躍する女子ソフトボールの試合観戦がおこなわれ、日本人観客20名が参加。試合前に山田、渡辺選手と握手し、その後サイン会を実施し選手を激励した。

小山理事から

会員促進部会では2013年度の目標を165家族とし、総会以来、既に11名の登録を得た。勧誘には口コミの効果が高く、役員・理事の協力を要請した。簡単なパンフレット作成しHand-to-Handで勧誘する。また新規会員者にはWelcome Letterや会員名簿及び当会の歴史と目的等の資料を配布する予定である。

星名理事から

会員や当地に住む日本人の住まいの不具合や修理、それ以外でもお困りの点について問題解決し、交通事故や違反による裁判所への出頭のサポートなど、ソフト面でも支援をおこなう「お助けメン」活動をする。

亀田理事から

会員に対するプラス・アルファの活動としてスポーツ観戦について提案がされた。その第一弾は女子ソフトボール(ゴールドメダリストを含む)。第2弾は青木宣親選手が活躍するミルウォーキー・ブリュワースの野球観戦ツアー(ミラービール工場見学付)。さらにゴルフ大会(会員のみとするかは未定)、テキサス・レンジャーズで活躍するダルビッシュ投手の野球観戦などを検討中との報告がされた。冬にはボーリング大会を予定しているとのこと。また当地の日系スポーツ団体と共催で何か友好的な活動ができないか模索中との発言があった。

白滝副会長から

CJC創立20周年に当り、その記念行事と新年会とを重ねて挙行することを決め、場所とメニューを内部で確定し、多くの会員に来ていただくため、余興には法悦太鼓とサバーバントリオを迎え、その経費を少しでも賄うためサイレントオークションも実施する予定にしている。現在の予算計画では参加者80名で参加費は一人$50とし、食事代を$40、その他の寄付金やオークションによる収益計上を$1,000程期待している。来賓には5月に着任する新シカゴ総領事とアーリントンハイツ市長に加え、他4名とする案で着々と計画を進めているとの報告があった。

吉池専務理事から

「日本祭り」実行委員会(実行委員長と梅谷氏)の第一回実行委員会が開かれ、その後各ユニット単位でミーテングを開き準備を進めているが、まだ目立った進展がなく、近日中に舞台出演者等を絞込む予定とのこと。また情報伝達の迅速化の観点から実行委員を中心としたグループメールを立ち上げた。理事・役員に対し「日本祭り」に積極的に関与し、情報を共有し経験を活かしたアドバイスを賜りたいとの要望があった。

堀委員から

コンピュータ・サロンの活動報告がされ、参加者の9割は当会員で昼の部・夜の部それぞれ5名ほどの参加者があり感謝された。参加者がいる限り活動を継続したいとの報告があった。冬期は土曜日も昼の時間帯に変更することを検討中との発言があった。

森井委員から

データ管理委員からは日本人会の広報用やその他の関連事業に活用できる一斉報知用Eメールアドレスを取得することについて提案があり、白滝氏と後日摺り合わせする予定。

前田副会長から

会計担当役員からは、昨年度の実績を精査した上で会員増加と「日本祭り」の盛況等を期待して、総収入$18,600、総支出$15,000の予算を組み、これが理事会で承認された。因みにこの時点での日本人会の総資産額は$73,022で、上原敏子氏が会計監査を実施し、証明済み資産として報告された。

荻野新会長の目標

*組織の確立のため、特定の会員に負荷が片寄らないよう積極的に会員の参加意識を高め、日頃の活動やイベント毎の提案や立案に協力を求め、次年度のリーダーに繋げていただきたい。

*組織の名称変更について「中西部日本人会」を解消し、法的に「シカゴ日本人会」を正式名称とする。

*シカゴ地域の各種日系団体と友好関係を結び、イベントを共催し大きな行事を実施する場合、各会の負担を軽減する。

*任期中「日本会館」の設立の足場を築きたい。シカゴより小さな都市でも全ての日系人が寄り合える場が存在する。

 

次に各担当の活動の様子と実施状況を記します:

*新シカゴ日米会(NCJAA)との合同新年会の開催については、三好理事が日程や場所、参加費($45)や持帰り用カレンダーを両会名で作成するための打合せを始める。

*「日本祭り」実行委員長(吉池専務理事)から、先般のシカゴ日本商工会議所(JCCC)の岩下会頭とシカゴ日本人会の荻野会長のトップ会談により、今後JCCCが本格的に関与していく方向性が確認された。岩下会頭の下でこの路線を敷き、次期会頭への申し送り事項に含めることとし、事務局はJCCCが本格的に参入する意義と具体策を取りまとめ、今後「日本祭り」をシカゴ日系関連のイベントの中でも一大行事にする青写真を描くことになった。

* 遺言・遺産計画セミナーについてビジネス部会(高木部長)から日米弁護士2名を講師に迎え開催され、50名(内非会員10名)もの参加者があり、大変な盛況だったと報告された。

* 今年度の最大イベントである「日本祭り」は吉池実行委員長の総指揮のもと、JCCCおよびNCJAAと共催し、さらにシカゴ日本国総領事館、日米評議会(Chicago Japanese American Council, CJAC)及びJapanese American Service Committee (JASC)の協力を得て開催。小錦(元大相撲大関)さんが参加したこともあり、来場者数が6,000人と大いに盛り上った。

* 外務大臣賞状の受賞ついて2013年7月30日付け官報に日本人会が長年にわたり弛みなく日米親善及び文化交流・地域社会の貢献に大きく寄与した点について外務大臣賞が授与される旨の告示があった。これは一重に会員の皆様の20年に渡る協力と、歴代の役員・理事の積み重なる努力の結果が報われたものと感じ、会員の一人として大変に誇りに思っています。これを励みに一層の努力を心に刻みました。

* 新シカゴ日米会との統合について小山前会長から懸案を引き継ぎ、片山会長と会合を持った。弊会は大義(シカゴの日本人がひとつになる)を達成するため個々の事は解決可能との立場を示した。片山会長自身は統合案件についてあと一年積極的に意見の集約を図り、何らかの結論を出すと述べた。合同新年会等のイベントを経て関係を深め、それを交流の一歩として踏み出し、相互の会の理解を得ることにお互い意見の一致をみた。

 

2014年4月16日に開催されたCJC総会では出席者19名、委任状受領が90名であった。よって有効合計数が109名となり全会員数151家族の1/3以上となり、総会は成立した。2013年度の活動成果及びトピックスは以下の通り:

1)懸案事項であった「シカゴ日本人会」の英語での呼称変更が完了

2)外務大臣賞の受賞

3)各種イベントの共催

4)会員数150名に拡大(25名増員)

5)総資産額$89,959(前年同期$73,023)

6)組織の確立、各部会の役割り分担を明確にして運営した結果、各部会において果実を生み出されたことに感謝申し上げます。

 

2014年度総会で次期役員・理事・担当委員が以下の通り承認され、会長としての折り返し点も通過し、新たな活動を始めた。

 

会長 荻野敏雄
副会長 下竹祐三郎
副会長 白滝精彦
専務理事 吉池学
会計担当役員 前田和子
理事
事務局長 梅谷昌樹
生活部会 三好素子
ビジネス部会 高木勝治
スポーツ部会 亀田達夫
文化部 森義雄、上原敏子
会員促進部会、OB 会 小山満
お助けメン(現お助けチーム) 星名修治
理事 長尾武英
理事 関上努
委員
データ管理 森井俊文
ホームページ 藤本賢治
会計監査 上原敏子

 

2014年度の目標として以下の点を目指す:

*  組織の確立に基づく役員会、理事会、部会、委員の役割を徹底させる。

*  役員会では方針事項の決定し、理事会で承認及び助言をおこない、役員会に提議案件を発議する。

*  部会はそれぞれの部会活動を企画と運営にその責任を持つ。

*  委員会は会から委託された役割を担う。

*  特定の会員が長く役員、理事に就くことを避け、広く会員から次の運営を担う人材を求めその任をお願いする。役員と理事は1期2年とし、最長でも任期2期4年とする。

*  シカゴとその近郊に住む日本人、日系人の団結を促進する。

*  JCCCとCJCの共催により「日本祭り」を開催する。

*  新シカゴ日米会と合同でピクニックと新年会を開催する。

*  日系団体との共同でピクニックの企画(日米評議会で再確認)

*  活動を拡大するためには相応の数が不可欠である。

 

日本会館の設立活動

会長としての任期中に何とか一歩を踏み出すべく、理事会の承認を得て積極的に活動を始めた。

2015年4月21日会員総会を開催。会員総数152名、総会参加者22名、委任状受領82名をもって総会が成立し、2014年度を次のように総括した:

*  組織による運営について、その成果が各部門で遺憾なく発揮された。

*  会員の日本帰国やイリノイ州外への移住者がいたものの会員数150名を維持した。

*  会の総資産額は$132,709と飛躍的に増加した。

森理事

担当の文化部会では柳島先生を講師にお招きし、毎週水曜日午後2時半から約2時間の書道教室を開催した。

三好理事

担当の生活部会では深井先生による運転セミナーを開催。また桃山先生と勝俣先生による健康セミナーを開催。さらに静子ハリソンによる家庭訪問が実施された。

亀田理事

担当のスポーツ部会では夏にゴルフ大会、冬にはボーリング大会を開催した。

星名理事

担当のお助けメン(現お助けチーム)活動では20件の家屋と備品の補修と修繕を実施した。

高木理事

担当のビジネス部会では日程調整が合わず遺産相続セミナーは中止となったが、日系人及び新一世による初の合同ピクニックには当会から100名の参加者があり、大変な盛り上がりを見せた。

小山理事           担当の会員促進部会も各部会の活発な活動が追い風となり、「クチコミ作戦」を駆使し退会者も出るなか152名の会員を確保した。

吉池専務理事

「日本祭り」実行委員長として今年度の最大イベントをJCCCと共催し、かつ日米評議会13団体も加わり集客には大相撲の元大関小錦関や高場夏枝氏のコスプレが一層の賑わいを見せ、大成功を収めた。ここで特記すべき点は「日本祭り」の計画から実施まで100名を超える会員が手弁当で奉仕と協力をおこなったことが大きな力となった。

下竹副会長

梅谷理事と共に、各部会の役割り分担と活動を明確にし、それを記録に残した。

白滝副会長会

NPO資格取得のため501(c)(3)のIRS申請とイリノイ州政府登録に尽力された。

関上理事

担当のウエブサイトは前年まで会員の堀委員がボランティアとして管理していたが、外部の業者に委託した。

前田副会長

過去の実績を基に規模を大きくした「日本祭り」の予算作りと数百件の現金出納業務を夜を徹しておこない、決算書を各団体に報告すると同時に、本来の会計業務を今期総会で報告するため、上原敏子監査役に資料を提出しその承認を得た。資産総額$132,709(前年同期$89,959)

 

日本会館の設立活動について、当会の全面的な支援を受けて発起人会を立ち上げた。

メンバー:

苅田吉夫  元宮内庁式部官、元デンマーク大使、元在シカゴ総領事

吉田雅治  現シカゴ総領事

吉池学   現シカゴ日本人会専務理事

前田和子  現シカゴ日本人会副会長

白滝精彦  現シカゴ日本人会副会長

下竹祐三郎 現シカゴ日本人会副会長

藤本光   現シカゴ日本人会理事

注:「現」は2015年当時

 

シカゴ日本会館設立の想い ー血と心と文化をつなぐ共通の場を創ろうー

私たちは今こそ立ち上がり声をあげて、シカゴ日本人の百余年の歴史の流れを振り返り

将来を展望して消えゆく世代と伸び行く世代をつなぐのは何か、を探求しなければなりません。私たちをつなぐもの―――それは他ならぬ日本人の血であり、文化でありましょう。シカゴと郊外に住む日系人が一堂に集い互いの知恵、情報、楽しいこと、悲しいこと等をともに分かち合う場所、日本会館を設立しそれを次世代に残すことが私たちの

歴史的使命と自負し、ここに設立の趣旨を提示させて頂きます。

運営は会員からの年会費と厚意による寄付に拠るものとし、スペースレンタルやイベントの開催等々を活動に掲げ、各機関、団体、企業、日本政府、近郊の自治体にコンタクトするなど発起人代表として以下の活動をおこないました。

* 在シカゴ諸団体が参加する日米評議会(CJAC)の月例会議で、日本人共済会、定住者会、米国在郷、軍人団二世ポスト、日系人基督教会協議会、仏教会、平和テラス、日米歴史協会賛同の要請をする。

*    訪日し、荒井三ノ進氏(自民党評議員、元イリノイ大学在籍)からシカゴ日本会館の設立には日本政府の資金を得るべきとのアドバイスをいただき、同時に杉田和博内閣副官房に対して強力なお口添えをして頂いた。さらに趣旨書を送付するよう求められたため、これを送付した。

*  苅田元在シカゴ日本国総領事の紹介で山内達仁 外務省北米一課 中西部担当官と外務省で面会し趣旨説明をおこなった。帰国までに何ら回答をお願いしたが即答はできないが、可能性を探る旨の返答を頂きました。(山内氏は3か月後シカゴ領事館に赴任され、当時の吉田、岩藤両総領事を説得の上、「日本祭り」に対し過去に例のない$3,000以上の寄付を実現していただいた)

*  苅田氏の先導で森夫人(森ビル)と昼食を取る機会を設けて頂き、会館設立の趣旨を説明し寄付を仰いだ。

*  西浦みどり大妻女子大学教授の紹介で新居雄介外務省大臣官房に面会した。同氏は広報文化外交戦略課長の任に就いており、世界の各都市に文化施設を建設。すでにロンドン、ロサンゼルス、サンディエゴでは政府資金で建設を始めている旨の説明があった。シカゴもその建設計画に乗せて頂くように懇願した。

*  サンスター大阪本社訪問し、中西裕紀、西本邦夫(元シカゴ在住)のお口添えで牧山義仁専務に面会し、同社の現シカゴ・オフィスの一角にある土地を寄付して頂けるようお願いした。

*  Mr. Al Larson (Schamburg Village President)に面会し趣旨を説明し、空地もしくは建物の寄付を請願した結果、7件の物件情報をいただいた。

*  日本会館設立に関して吉田総領事,岩下元JCCC会頭、清水現会頭、日本人会会長の私とで懇談会を持ち、各位のお考え、アイデアとアドバイスをいただいた。

以上の様に当初の予定に沿って足場作りに精力的に活動しましたが、時間的に無理もあり具体的な計画や内容、予算等を精査できず、賛同はするものの確たる反応を皆様から得る事ができず、準備期間も3年から5年必要だと思われました。最大の課題は箱モノ(施設)が完成しても年間 $1,000,000以上の維持費をどの様に賄うのか目途が立たず、取り敢えず期が熟すまで活動を中断することにし、各関係者その旨をお伝えした。

シカゴ日本人会は当初より役員、理事、委員の皆様のボランティア活動により運営されており、私もその一人として多くの会員の皆様と奉仕の精神を共有し、そこから沢山の得難い体験や尊い精神を学びました。

皆様方に心から感謝の意を申し上げます。

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